「子どもにゲームはやらせない方がいいんでしょうか」——親同士の会話で、たまに出る話題です。僕の答えは決まっています。わが家は、ゲームを禁止しません。
ただし、好きなだけどうぞの放任でもありません。そして正直に言うと、細かいルールはまだ決めきれていません。うちの子は6歳と4歳。ゲームとの付き合いはこれからが本番です。
この記事は「こうすれば正解」というノウハウではなく、子どもの頃からのゲーマーである父親が、どう考えて「禁止しない」に至ったかの記録です。答えが出ていない部分も隠さず書きます。
この記事でわかること
- ゲーマー父が「禁止しない」と決めた理由
- わが家がすでに決めていること・まだ決めていないこと
- 依存リスクへの向き合い方(目をそらさない側の話)
結論:禁止はしない。でも放任でもない
わが家の方針を先に3行でまとめます。
- ゲームを「悪いもの」として禁止から入ることはしない
- 周りの子がやっているなら、仲間外れにならないことを優先してやらせてあげたい
- 逆に、周りがやっていないのに急いで与えることもしない

要するに「ゲームそのもの」ではなく、子どもの世界とのつながりを基準に決めるという考え方です。なぜそうなったかというと、僕自身がゲームに育てられた側だからなんですよね。
僕自身がゲームに育てられた側だから
僕は子どもの頃から、ずっとゲームをしてきました。親と揉めた経験もあります。やりすぎを注意されたり、兄弟とゲームの取り合いでけんかになったり。ゲームがある家の「あるある」は、だいたい通ってきました。
一方で、ゲームからもらったものも、はっきり覚えています。僕の世代はちょうど、ネットゲームが広がり始めた時代でした。ラグナロクオンラインというオンラインゲームに夢中になって、気づいたらPCの操作もタイピングも、そこで身についていたんです。今の仕事で毎日PCを使えているベースは、正直あのゲーム時代にあります。
もう1つ大きかったのが、コミュニティの経験です。オンラインゲームは知らない人と協力しないと進めない場面が多くて、「人とのつながりの大切さ」を最初に実感した場所が、僕にとってはゲームの中でした。
だから「ゲーム=時間の無駄」という前提に、僕はどうしても立てません。揉めた記憶も、もらったものも、両方知っているからです。
それでも「禁止」を選ばない3つの理由
僕が禁止から入らないのは、ゲームが好きだからという感情論だけではありません。理由は3つあります。
理由1. 禁止しても「やりたい気持ち」は消えない
自分が子どもだった頃を思い出すと、制限されてもゲームへの気持ちが減った記憶がないんですよね。注意されて揉めるたびに、親に対して閉じていく感覚の方が残っています。気持ちが消えないなら、隠すか、親の見えない場所に行くか。それなら見える場所で付き合い方を教える方がいい、が僕の結論です。
ただし、これは「制限が無意味」という意味ではありません。後で書くとおり、線引き自体は必要だと思っています。
理由2. いまのゲームは子どもの社交の場になっている
僕らの頃より、その傾向はずっと強くなっています。友達との共通の話題であり、放課後の遊び場そのもの。だからわが家の基準は「周りの子がやっているかどうか」です。周りがやっているのに一人だけ禁止されると、失うのはゲームではなく友達との話題なんですよね。
理由3. 親が「禁止する側」に立つと、会話が消える
ゲームで困ったことが起きたとき——変な課金画面が出た、知らない人に話しかけられた——最初に相談してほしいのは親のはずです。ふだん禁止している親には、子どもは相談しません。怒られるのが分かっているからです。「パパはゲームの味方」という立ち位置は、いざというときの安全装置だと考えています。
わが家の現在地|決めていること・決めていないこと
かっこいい「わが家の3原則」を書きたいところですが、正直に言います。細かいルールはまだ決めきれていません。「決めたこと」と「まだのこと」に正直に仕分けします。
決めていること(2つ)
- 禁止から入らない。やらせるかどうかは「周りの子がやっているか」を基準にする
- 急いで与えない。周りがやっていないのに、親のゲーム機を先回りして渡すことはしない
まだ決めていないこと
- 1日何分までにするか(いまは画面時間全体を「時間の約束」でゆるく区切っている段階)
- 何歳から自分のゲーム機を持たせるか
- 課金・オンライン対戦をどこから解禁するか
この「決めていない」を書くのは、家庭の価値観によって正解が変わるからです。周りの環境も子どもの性格も家庭ごとに違うのに、よその「3原則」をそのまま持ってきても機能しないと思うんですよね。
わが家のいまのゲーム環境も、実態のまま表にしておきます。
| 家族 | ゲーム環境(2026年8月時点の実態) |
|---|---|
| 僕(父) | スマホとSwitch 2。最近はあまり遊べていない |
| 妻 | ゲームはしない(スタンスは後述) |
| 6歳の娘 | 家族共用のiPadでアプリを楽しんでいる |
| 4歳の息子 | まだゲームはしていない |
4歳と6歳、いまはこういう距離感
うちにはSwitch 2があります。ただしこれは僕のもので、子どもたちはまだ触っていません。6歳の娘がやっているのは、家族共用のiPadのアプリまで。4歳の息子はまだゲーム自体をしていません。
つまりわが家は「本格的なゲームデビュー前」の段階です。だからこそ、いまのうちに親側の方針だけ固めておきたかった。デビューしてから慌ててルールを作ると、たいてい「取り上げる」方向の後出しルールになるからです。
娘が「周りの子がSwitchやってるから、私もやりたい」と言い出したら、わが家の方針ではやらせてあげる側になります。そのときの記録は、この記事に追記していくつもりです。
依存リスクから目をそらさない
「禁止しない」と書いてきましたが、ゲームのリスクを軽く見ているわけではありません。むしろ逆です。
WHO(世界保健機関)は、国際疾病分類ICD-11(2022年発効)で「ゲーム障害」を疾病として位置づけています。ゲームの優先度が生活のほかのことより極端に高くなり、問題が起きてもやめられない状態が続く——そういう状態は実在する、というのが公式な整理です。国内にも久里浜医療センターのようにゲーム障害を診る専門機関があります。
僕がゲーマーとして付け加えたいのは、いまのゲームは僕らの頃より「終わりが来ない」設計だということ。オンライン要素・毎日のログイン報酬・ガチャ課金。夢中にさせる仕組みのプロが作っています。だからこそ「ゲームを知っている親」が横にいる意味があると思っています。危ないサインに気づけるのは、遊んだことがある側です。
端末側でできる備え(時間・課金・コンテンツの制限)は、別の記事にまとめています。ゲーム機が来る前に、スマホ・タブレットの設定から始めるのが現実的です。子どものスマホ・タブレットのセキュリティ設定まとめを参考にしてください。
妻との温度差の話
夫婦でゲームへのスタンスが割れて揉める、という話をよく聞きます。わが家はどうかというと、実は温度差が小さいんです。妻はゲームをやってきた人ではありませんが、スタンスは「周りの子がやっているなら」派。頭ごなしにやらせない、という考えではありません。
面白いのは、同じ結論なのに理由が違うことです。僕は自分のゲーム経験から、妻は「子どもの友達関係」への配慮から。夫婦で入り口が違っても、「子どもの世界とのつながりを基準にする」という着地は同じでした。もし夫婦で揉めているなら、ゲームの是非ではなく「何を基準に決めるか」から話すと、かみ合いやすいはずです。
よくある質問(FAQ)
Q1. ゲームは何歳から持たせていいですか?
A. 年齢より「周りの環境」で決めるのがわが家の考えです。友達との関わりの中でゲームが必要になったときが、その子のタイミングだと思っています。年齢別の考え方は、別記事で詳しく書く予定です。
Q2. 1日何分までが適切ですか?
A. 一律の正解はありません。わが家もまだ「時間の約束」でゆるく区切っている段階です。分数より「宿題や寝る時間とぶつからない区切り方」を子どもと決める方が現実的だと考えています。時間ルールの決め方も別記事にする予定です。
Q3. 禁止すると隠れてやるって本当ですか?
A. 僕の実感では、禁止で「やりたい気持ち」は消えません。制限されて揉めた僕自身、ゲームへの熱が下がった記憶はないです。気持ちが残る以上、見えない場所に行くリスクはあります。だからわが家は、見える場所で付き合い方を教える方針にしました。
Q4. 課金はどうしますか?
A. わが家はまだ課金の段階に来ていませんが、方針は「親の承認なしに課金できない設定を先に入れる」です。気持ちのルールより先に、仕組みで塞ぐ。端末側の設定は家庭のネットセキュリティ入門で書いている考え方と同じです。
Q5. 親がゲームを全く知らない場合はどうすれば?
A. 子どもがやりたがっているゲームを、まず親が10分触ってみてください。内容を知っているだけで、会話と危険察知の精度が全然変わります。知らないまま禁止するのと、知ったうえで線を引くのとでは、子どもの納得感も違います。
まとめ|禁止か放任かの二択じゃない
- わが家はゲームを禁止しない。ただし放任でもない
- 基準はゲームの是非ではなく、子どもの世界とのつながり
- 細かいルールは未完成。デビュー前に「親の構え」だけ先に決めた
- リスクは実在する。だからこそゲームを知っている親が横にいる
僕らの世代は、ゲームで育った最初の親世代です。禁止された記憶も、ゲームからもらったものも、両方知っている。その経験は、子育てに使えるはずです。
最初の一歩は、今夜、子どもが好きな動画やアプリを10分だけ一緒に見てみること。「何が楽しいの?」から始まる会話が、この記事で書いた全部の土台になります。
この記事を書いた人
もろ(Net Shield Lab運営)
– 2児(6歳・4歳)のパパ。子どもの頃からのゲーマーで、ネットゲーム黎明期にPCスキルとコミュニティの大切さをゲームから学んだ側
– 家庭のネットセキュリティと、子どもとデジタルの付き合い方を実体験ベースで書いています
